行き当たりばったり。
妙なテンション
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陣+凍矢。
魔忍を抜ける前…かしら…
二人が外の世界に興味を持ち、自由を求めている頃。
凍矢って、自由になりたいとは思うけれど自分じゃ無理だって諦めていそう。
自分にはそんな資格などないし抜け忍になる覚悟もないって思っているんだけれど、
それを陣に話したら「そんなのやってみなきゃ分かんねえべ!諦めんな!」って怒られるんだ。
そうだよな、自分で道を切り開いていかないとな、って感じで光云々。
そこはまた…いつか…うん…
リハビリを兼ねて書いたものなのでものすごく短い…汗
だんだん字数増やしていきますね…
というかこれ、もともとは長編を元ネタにして書いたものだったからいろいろ修正しました。
長編は収拾がつきそうにないのできっとお蔵入り。構成力ほしい…
あ、一応折りたたんでます。
重苦しい灰色の空。
遥か遠くで光る、夥しい雷鳴の嵐。
鬱蒼と生い茂る深緑色で覆い尽くされた森。
そこで生きる者達の姿は視界に入らずとも、気配を絶ちながら其処等じゅうに生息している。
決して姿を晒してはいけない。
この世界を生き抜く為にも。
虎視眈眈と獲物を狙い、隙を狙って食らいつく―
自分も似たようなものだ。
体にまとわりつくような湿った風に体を預けながら、自重気味にぼやく。
「…陣が羨ましいな」
「…あ?どしたいきなり?」
半ば無意識に繰り出された言葉に反応し、陣はくりくりとした大きな瞳を凍矢に向ける。
その瞳を真正面から受け止めながら、頭の中は何時ぞやに見たあの、清々しいまでの景色を思い浮かべていた。
お前の、その碧は、どこまでも広く澄み渡っているあの世界の空の色だ。
仰げば自分の視界全体がその色に満たされ、吸い込む空気は一片の澱みもなく、
吐き出される空気は碧に一瞬にして溶けてゆく。
呼吸をする自分も碧と一体になったような、心地好い感覚。
碧に溶け込み、ゆったりと漂う。
どこまでも、どこまでも。
お前の瞳の色は、自由の象徴。
静かに息を吐き、凍矢はゆっくりと口を開いた。
「…お前は、空を飛べる。
お前が行きたい場所へ、どこまでも。
思うがままに、自由に飛んで行けるだろう?
俺には………――できない」
半ば独り言のように、俯いて答える凍矢。
時々、彼が物凄く眩しく見えて。
彼のように自由でありたいと思えば思うほど自由から遠ざかっていく。
性根から叩き込まれた魔忍の掟、慣習、思考を嫌というほどに実感しながら。
隣にいる自分がいかにちっぽけで魔忍という性に縛られているのかを思い知るのだ。
凍矢の独白を耳にしながらきょとんと目を向けていた陣だが、突如凍矢に向き直り、まっすぐな瞳で凍矢を見つめた。
「飛べる力を持っていても、ひとりぼっちは寂しくてどこにも行けねぇべ。
隣に凍矢がいねぇ世界はつまんねえべ!」
そう威勢よく言い放ち、にかっと八重歯を覗かせて明るく笑う。
まるで太陽が光輝くように。
ああ、これだ―――
何度も救われた。この嘘偽りない笑顔に。
欺きと隠蔽の世界に生きる自分が唯一、綺麗だと思うもの。
もし隣にいることが許されるのならば、お前の傍に居続けたいと願う。
俺を必要としてくれる、お前が必要だから。
その碧を見るだけで、俺は救われる。薄汚い世界の闇から洗われた気持ちになれるから。
唖然と固まったまま陣を見つめていた凍矢だが、我に返り、ふっと笑った。
「俺も、お前のいない世界はつまらないな…」
「んじゃ、一緒にいるべ?」
「…ああ、言われなくとも」
どうか。
この碧く澄み切った瞳に影が差し込まぬよう。
この曇り一つない笑顔が闇に奪われぬよう。
凍矢は小さく祈る。
(互いが互いの進む道を照らしてくれる、ヒカリのような存在)
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